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ヤローズタラナキブルズ研修レポート Vol.5 (上野雄太)

今週は、NPC開幕戦に向けた1週間を過ごしました。また開幕戦を現地オークランドまで同行し、チームと共に初戦勝利を掴み、共に勝利を祝うことができました。プレシーズン期間が非常に短い中で、チームがどのように一体感を高め、開幕戦へ向けて準備を進めていくのかを間近で学ぶことができました。

7/27 月曜日

午前中は、コーチ陣やアナリストがそれぞれの専門分野ごとにミーティングを行い、先週末の練習試合ウェリントン戦の試合分析や今週のゲームプランについて打ち合わせをしていました。

チームの活躍は午後からのスタートでした。チームミーティングでは、先週までチームの一員として活動し、ウェリントン戦もともに戦ったJosh Jacob選手がオールブラックスに選出されたことが紹介され、その功績をチーム全員で称えました。チームメイトの活躍を全員で祝福する姿からも、チームの一体感を感じることができました。続いて、今週のスケジュールの共有や、S&Cコーチ主導によるミニゲームが行われ、選手同士のコミュニケーションを深めるチームビルディングの時間となりました。

その後は、ウェリントン戦のチームレビューとユニットごとのレビューが実施されました。特にアタック面のレビューでは、得点につながった場面と、得点につながらなかった場面を比較しながらプレゼンテーションが行われ、その違いを選手たちに分かりやすく提示していました。単に試合を振り返るだけでなく、「その違いを日々のトレーニングから常に意識して取り組むこと」が強調され、最後はチームの良かったプレーもしっかり取り上げ、ポジティブな雰囲気でミーティングが締めくくられました。

7/28 火曜日

チームミーティングでは、タラナキブルズならではのチームカルチャーについて説明がありました。選手それぞれが家族の写真やキーホルダーなど、自分にとって大切な思い出の品を箱に入れ、アウェーゲームにも持参するという取り組みです。常に自分を支えてくれる存在を身近に感じながら戦うという考え方で、ブルーシャークスにはない文化でもあり、とても興味深い取り組みだなと感じました。

NPCでは、チームメンバーが合流してからわずか約2週間で開幕戦を迎えるため、短期間でチームとしての共通認識を築く必要があります。そのため、チームが大切にする考え方をショートムービーで視覚的に伝えたり、シンプルなキーワードを繰り返し強調したりと、限られた時間の中でメッセージを浸透させる工夫が随所に見られました。ヘッドコーチからは改めて今シーズン、チームに求める「work rate (運動量)」について話があり、オールブラックスの試合を例に説明していました。「シンプルで特別なことではないが、その小さなハードワークの積み重ねにより試合が大きく動く。」という点を強調していました。「Manipulate them (相手をコントロールする)」し、意図を持ってアタックするという理由もシンプルに伝え、このwork rate の重要性を解説していました。

その後は、開幕戦の相手であるCounties Manukau戦のプレビューが行われ、相手チームの特徴などが共有されました。

最後には開幕戦のメンバー発表が行われ、タラナキブルズデビューとなる選手が紹介されると、チーム全員から大きな拍手が送られ、ヘッドコーチからのコメントもあり、決戦に向けた雰囲気となりました。


7/29 水曜日

オフの日だったため、朝は地元のカフェを訪れ、タラナキのコーヒー文化を楽しみました。

タラナキの街は決して大きくはありませんが、落ち着いた雰囲気で治安も良く、街と海が隣接しています。海沿いには整備された遊歩道があり、美しい景色を眺めながら散歩ができるなど、自然と都市が調和した魅力的な環境だと感じました。


7/30 木曜日

チームミーティングからスタートし、ゲームプランの最終確認とディフェンスについてのミーティングが行われました。

ディフェンスコーチは、2023年までタラナキブルズで選手としてプレーしていた経歴を持ち、今年から新たにコーチとしてチームに加わっています。一方で、チームとしてのディフェンスの考え方自体はここ数年変わっていないとのことでした。そのため、コーチが一方的に説明するのではなく、選手たち自身が「自分たちが何を大切にするべきか」を積極的に発言しており、チームとしての共通認識がしっかり浸透していることを実感しました。またフィールド上では、「Second job(次の仕事), Stay alive (動き続けろ)」といった言葉がコーチからも選手からもよく聞かれました。チームとして掲げている「Back in game (すぐに起き上がってプレーする) 」というが出ており、ここでもwork rate への意識付けと、これまでに継続して積み上げてきたディフェンスの理念を感じる場面でした。


7/31 金曜日

開幕戦に向けてオークランドへ移動し、チーム全員でホテルに宿泊しました。

ホテルではクイズ大会が開かれたり、夕食をともにしたり、他チームの試合を全員で観戦したりと、リラックスした時間を共有しました。試合前だからこそ、こうした時間を通じてチームの結束力を高めていくことも、チームビルディングの大切な要素であると感じました。


8/1 土曜日

NPC開幕戦 vs Counties Manukau

いよいよNPC開幕戦を迎えました。

試合前特有の緊張感が漂う中でも、コーチ陣が最後まで繰り返し伝えていたのは、このプレシーズンで何度も強調してきた「Work Rate」と「Basic(基本に忠実に)」という2つのキーワードでした。

そして最後にキャプテンが、「Good place to be(準備はできている。あとは自分たちを信じてプレーするだけだ)」というメッセージを出しました。非常にシンプルで短い言葉でしたが、その瞬間、選手たちの表情や雰囲気が一気に前向きなものへと変わったことが印象的でした。

コーチやキャプテンがどのタイミングで、どのような言葉を選び、選手へ伝えるのか。特に試合前の独特な空気感の中でのコミュニケーションは、現地でその場にいるからこそ感じ取ることのできる貴重な学びでした。

来週はホームゲームとなり、アウェーとはまた違った雰囲気の中で試合が行われます。多くの地元ファンも集まり大きく期待される中で、どのような1週間を過ごし準備していくのかとても楽しみです。タラナキでの研修も残りわずかとなりましたが、最後まで現地でしか得られないものを学び続けます。