試合情報 Game info

◇レッドハリケーンズ大阪戦マッチレポート

 後半3分、トライを決めた金築と抱き合う安達

 清水建設江東ブルーシャークスは4月11日、ヤンマースタジアム長居(大阪府大阪市)で行われたNTTジャパンラグビー リーグワン2025-26 ディビジョン2第11節で、レッドハリケーンズ大阪に33-36で逆転負けを喫した。残り3試合で上位2チームとの勝ち点差が12となり、D1との入れ替え戦進出は厳しい状況に。次節は4月25日、東大阪市花園ラグビー場で首位の花園近鉄ライナーズと激突する。

 試合終了直後のフィフティーンの姿が、この試合の重要性を物語っていた。頭を抱える選手がいた。両膝に手をついて動けない選手がいた。「絶対に勝たなきゃいけない、落としちゃいけない試合だった」。仁木啓裕監督の言葉が、会見場に響いた。

 1月10日、夢の島競技場にレッドハリケーンズ大阪を迎えた第3節。前半14分で0-14とリードを許したが、誰一人諦めることなく、26-21と逆転した。歓喜から3か月、ビジターで待っていたのは真逆の悪夢だった。

ボールを抱えディフェンスの突破を図るエド・ホームズ

 前半13分に西端玄汰が先制トライ。29分にはキャメロン・ベイリーもトライして12-0と優位に立った。ゲームキャプテンの安達航洋も「前半いい形で2本取れた」と振り返ったが、前半終了間際にトライを許すと後半に暗転した。

 ブルーシャークスが後半16分で26-12とリードしたが、「後半に入ってなかなか敵陣に入れない時間が続いてしまった」と安達。26分に追いつかれ、33分に逆転を許した。清水建設の関西支店から1,700人以上が駆けつけ、ビジターに響いた「GO GO SHARKS!」の大声援。ファンのため、意地を見せて38分に追いついたものの、最後はPGを決められて屈した。

コンバージョンキックを決めるビリー・バーンズ

 第11節を終え、首位の花園近鉄ライナーズ、2位の豊田自動織機シャトルズ愛知は勝ち点44に。ブルーシャークスは32で、その差は12に開いた。残り3試合のため、D1との入れ替え戦進出は厳しい状況。仁木監督は、「今年は上の入れ替え戦を目標にして活動してきましたが、去年の反省も含めて最後のラスト数試合に対して、同じテンションで作ってこなきゃいけなかったのかな」と話した。

 昨季はD2で8チーム中7位。今季は躍進して上位争いを繰り広げているが、吉廣広征ヘッドコーチは重要な一戦でのメンタル面を指摘する。「勝たなきゃいけないという思いが強すぎて、プレッシャーを余計に感じてしまうというか…」。気負いと重圧が肉体と思考の自由を奪い、痛恨の黒星につながった。

ディフェンスの間を突く藤岡

 失意の一方で、確かな希望も芽吹いている。背中を痛めていた西端が第7節以来の復帰。先制トライを決めた後は、ハイパントを巧みにキャッチし、ベイリーのトライをアシストした。「前半はうまくいった」と振り返った23歳だが、「ディフェンスでチームの足を引っ張ってしまった。僕のところでトライをいくつかやられたので…。」と反省も忘れない。

 腰、左膝を痛めていた中森樹生も第8節以来の出番が巡ってきた。後半34分にピッチへ。「何か目立つプレーをできたかと言われたら、できていない。もっと信頼されるようにして、プレータイムを長くしていかないと」。こちらも満足感には程遠いが、大きな一歩を刻んだ。 

トライを決めた西端

 西端も中森も大阪出身。花園ラグビー場での次節・花園近鉄ライナーズ戦に視線を向ける。西端が「また大阪で試合ができる。気合入れていきます」と言えば、「チャンスがあればチームが求めているプレーをしていきたい。燃えてるぞって感じです」と中森も気合を入れた。

 もう一つのモチベーションもある。「花園ラグビー場は弊社(清水建設)が施工しています。そういった思いもあるスタジアムですので、必ず勝ちたいと思っています」と仁木監督。安達も「まだシーズンが終わったわけではない。次の近鉄戦はビッグゲームになる」と闘志を高めた。聖地で見せつけよう、敗戦を糧に強くなるブルーシャークスの姿を。

選手のウォーミングアップを見守る仁木監督


◇仁木監督、安達航洋ゲームキャプテン会見

質問者:本日の総括をお願いします。

仁木監督:お疲れ様でした。ありがとうございました。NTTドコモ様、大阪協会を始め、皆様にこの素晴らしいピッチ、スタジアムを用意していただきまして、本当にありがとうございました。

 結果のところはですね、見ての通りだと思っています。絶対に勝たなきゃいけない、落としちゃいけない試合だったと思いますし、ドコモさん(レッドハリケーンズ大阪)も絶対勝たなきゃいけない試合だという位置づけの中、気持ちがこもった試合になったのかなと思っています。

 我々、今年は上の入れ替え戦を目標にして活動してきましたが、去年の反省も含めて、最後のラスト数試合、4試合5試合のところに対して、同じテンションで、気持ちも含めて、作ってこなきゃいけなかったのかなというところが反省です。大きな課題をいただいたと思っています。必ず次戦、近鉄ですけど、花園で去年も勝たせてもらっているので、勝利をしたいなと思っています。本日はありがとうございました。

安達選手:本日はありがとうございました。先にこっちから前に出て仕掛けようという話をチームでしていて。前半いい形で2本先に取れたんですけど、後半に入って、なかなか敵陣に入れない時間が続いてしまって…。ドコモさん(レッドハリケーンズ大阪)にやりたいラグビーをやらせてしまったところは反省かなと思っています。

 まだシーズンが終わったわけではないので、この課題というか反省をしっかりチームに持ち帰って。次の近鉄戦はビッグゲームになると思うので、そこに向けてまたチーム全員でいい準備をしていきたいと思います。本日はありがとうございました。

タックルを受けながらも前進する尾﨑

質問者:レッドハリケーンズさんは、いいスクラムを組むというところで、チームとして強調されてきたと思うのですが、そのスクラムに対しての評価はどうですか。また、復帰した西端選手の評価を聞かせてください。

仁木監督:スクラムに関してはスタッツ含めて、ディビジョン2では間違いなくナンバーワンだと思っています、ドコモさん(レッドハリケーンズ大阪)は。そこに受けちゃいけないっていうところと、積み上げてきたプロセス含め、そういったものを大事にしましょうっていうところで、練習をしてきました。本当に今日も素晴らしいスクラムを組まれていて、脅威に感じる部分が多かったかなと思っています。

ただ、やっぱり我々もスクラムには自信を持っていますので、必ずチームは全員やり返すつもりで、また明日以降歩みを進めてくれると思っています。

 西端に関しては、まだまだだと思います、今日に関しては。ベストなパフォーマンスじゃなかった。ただ、取り切る力みたいな部分はチームにとって大切な存在です。足をつって途中で退場しましたけど、そういったところも含めて、今後の糧にしてほしいなと思います。

質問者:今日は先に取るという展開で、逆にピッチでの気持ちの持っていき方が難しい部分もあったのでしょうか。チームへの声かけは。

安達選手:チームのプランとして、敵陣でプレーするというのは常に話していたので。得点を取ったとか関係なく、もう1回敵陣に入って、プレーを始めようという話をずっとしていました。ただ、後半風下になって、相手のキックが元々脅威だというのは分かっていたんですけど、そこにプレッシャーをかけられて、自陣でプレーする時間が長くなってしまったというのが反省かなと思います。

ディフェンスをかわし前進するキャメロン・ベイリー

質問者:今日は関西支店から多くの方々が応援に来ていました。応援の声が凄く響いていたように感じましたが、後押しはいかがでしたか。

仁木監督:ドコモさんのホームスタジアムですけど、我々のホームスタジアムのような応援をしていただきました。本当に弊社の大阪支店の皆様には、休日のこういう時期に来ていただいて感謝しかないと思っています。結果で応えたかったですけど、こういう結果になってしまったので。

 次戦も花園で近鉄と試合をさせていただく時にはですね、またあれぐらい大量の応援があると聞いています。また、花園ラグビー場は弊社が施工しています。そういった思いもあるスタジアムですので、必ず勝ちたいなと思っています。

清水建設の新村社長から社長賞を授与された金築(右)