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◇豊田自動織機シャトルズ愛知戦マッチレポート

試合を終えてスタンドの観客に挨拶するブルーシャークスの選手

 清水建設江東ブルーシャークスは2月14日、パロマ瑞穂ラグビー場(愛知県名古屋市)で行われたNTTジャパンラグビー リーグワン2025-26 ディビジョン2第6節で豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦し、12―66で敗れた。勝ち点は18のままで、順位は3位となった。次節は2月28日、夢の島競技場(東京都江東区)でNECグリーンロケッツ東葛と対戦する。

 劣勢のブルーシャークスベンチに白子の朗らかな声が響いた。「盛り上げてくるわ!」。7―40で迎えた後半17分。背番号20に約11ヶ月ぶりの出番が訪れた。立ち上がり、サイドラインに沿って中央にゆっくりと歩を進めながらフィールドを見つめた。待ち望んでいた公式戦のピッチが、目前に迫っていた。

 前回の出場も大差で敗れたビジターでの豊田自動織機戦だった。上を目指すチームとしての覚悟を示せなかったことが悔しかった。内容や点差以上に、戦う前から受け身になっていたことが許せなかった。「全然足りてないよ」。当時のキャプテンとして、チームメートに厳しい言葉を浴びせながら自然と涙が溢れた。今回も点差は大きく開いていた。それでも白子の受け止め方は、あの時とは異なっていた。目の前の仲間たちは、全員で戦う意思を持って、勝つためのプレーをしている。チームとして積み上げてきたものを感じた。彼らが頼もしく見えた。ヘッドキャップを被ると、気持ちが一段、引き締まった。自分もその一員として再びこの場所に立てることがうれしかった。「まずはやるべきことをやろう。その上で、チームが息を吹き返すようなプレーができれば」。役割は明確だった。踏み出す足取りは、自然と速くなった。

出場前にヘッドキャップをかぶる白子

 ブルーシャークスが意地を見せたのは、その5分後だった。ゴールライン手前の左サイドで組まれた相手ボールのスクラム。「さあ、シャークスいくよ!」。オープンフランカーの位置でスクラムに入った白子が、フィールド中に響き渡る声でチームを鼓舞した。フォワード陣が一体となって強い圧力をかける。相手はボールの出しどころを失い、処理が遅れた。態勢を崩されたまま放たれたキックは中途半端なものとなり、これをバンワイクが確保。前に出ながらオフロードで右サイドの桑田へとつなぎ、そのままトライラインを破った。敗れはしたものの、どんな状況でも前を向き続ける白子の姿勢が、仲間たちを最後まで奮い立たせていた。出場時間の長さでは測れない価値が、そこにはあった。

 白子にとって、自らを試されるシーズンの始まりだった。トンガ代表として17キャップを誇るシオネ・タリトゥイが加入し、同じバックローのポジション争いは一層激しさを増した。キャプテンの立場も2年目の安達に譲り渡した。今季ここまでの5試合で白子がメンバー入りすることはなかった。当たり前のように立っていた公式戦のピッチから離れ、自分の立ち位置が揺らぐ感覚は、小さなものではなかった。心を許している先輩に弱音を漏らすこともあった。それでも、自分自身に対する矜持が彼を踏みとどまらせた。「ここで投げ出すのはかっこ悪い」。ラグビー選手としての在り方だけは、崩したくなかった。

タリトゥイ(左)とスクラムを組む白子

 「評価されていない時や、スポットライトを浴びていない時の行動こそ見られていると思っています」。その言葉通り、練習では誰よりも声を出し、良いプレーには真っ先に反応した。サポートメンバーに回れば、試合前のウォーミングアップで汗だくになりながら出場選手の準備を後押しした。昨季まで、ピッチに立つ自分を支えてくれていたのも、同じように名前の呼ばれない時間を過ごしていた仲間たちだった。その役割の重さを知っているからこそ、今度は自分が支える側に回っても全力になれた。

 また、彼を支えたのは「上手くなりたい」という、ラガーマンとしての純粋な情熱だった。その思いをより鮮明にしたのはタリトゥイの存在だった。コンタクトの質、判断の速さ、プレーの精度。世界を知る選手の一つひとつが学びの対象になった。白子は自ら「練習のパートナーにならせてくれ」と申し出て、居残り練習を重ねてきた。タックルの入り方、体重の乗せ方、狙う位置やタイミング。これまで感覚に頼る部分が大きかったプレーを、一つひとつ言語化しながら学び直した。「今までタックルをハートでやってきたタイプなんですけど、今シーズンはずっとシオネ(・タリトゥイ)とパートナーで練習してて、彼のスキルを習っている感じですね」。学びを重ねるほど、新しい発見が次の意欲につながった。「改めて解剖して学ぶと、良いタックルをもっと決めたいって思うようになる」。白子はその関係を「リスペクトしかない」と感謝する。競い合うというより、互いに高め合う時間だった。

試合前のウォーミングアップでタリトゥイと練習する白子(左)

 「シオネがチームの一員になってくれて、パートナーでやってこれています。そこで自分を成長させることができていて、またすごく楽しいシーズンだなって思ってます」と、白子は語る。どんな立場に置かれても、それを糧に変えられるかは本人の資質にかかっている。白子は逃げずに乗り越えてみせた。だからこそ、チームの中で発する彼の言葉には一層の重みが宿った。仁木監督は「白子は結構厳しいことも言うんですけど、誰からも嫌われないんですよね。羨ましいです」と、冗談まじりに敬意と信頼を口にする。結果でも過程でも示し続けてきた在り方が、周囲の受け止め方を変えている。そして、働きながらディビジョン1を目指すという容易ではない挑戦の中で、純粋に高みを目指す白子の姿は、ブルーシャークスが大切にしているアマチュアリズムの価値を、いま改めて体現している。

 試合後、白子は誰もいない静かなグラウンドを背にタリトゥイと並び、2人で写真に収まっていた。「いつか2人で一緒に試合に出たいと思っていたんですよ。初めてそれができたので、その記念です」。誠実で誇り高く、他者に対する敬意を忘れない。そして、どんな状況でもラグビーが好きな気持ちを大切に守り続けている。夕暮れの空に柔らかく照らされて屈託なく笑うその表情が、その難しさも尊さも、全てを物語っていた。 

 

◇仁木監督、安達航洋キャプテン会見

 気合いの表情で選手を送り出す仁木監督

質問者:本日の試合の総括をお願いします

仁木監督:まず初めに、本日の試合開催にあたりご尽力いただきましたスタッフの皆様、協会関係者の皆様、本当にありがとうございました。昨年の順位で言えば上位に挑戦するという位置づけの中で、我々のラグビーをしっかりやることを目標にしてきました。ここ2戦を勝てなかったところは、選手というより私自身のマインドセットの部分の責任だと思っています。ただ、選手は前向きですし、次は吉廣ヘッドコーチの古巣であるNEC(グリーンロケッツ東葛)との試合です。NECとチャレンジできるのは残り2回しかありませんので、今回の反省を踏まえて気持ちを切り替え、次に向かっていきたいと思います。本日はありがとうございました。

安達キャプテン:本日はありがとうございました。反省するところは色々ありますが、気持ちの面で相手の方が勝つためのマインドセットができていたのかなというのが一番大きいと思います。私たちも準備して前に出ようと話していましたが、相手の勢いのあるアタックを止めきれず、タックルに入ってもボールをつながれてトライまで持っていかれてしまいました。そこは反省点です。もう一度ホームで戦うことができますので、今日出た課題を練習で見つめ直し、次に対戦するときにはしっかり勝てるよう、リベンジできるように準備していきたいと思います。本日はありがとうございました。

 ラインアウトでボールをキャッチする安達

質問者:今節は上位チームとの連戦でした。マインドセットの課題について、今週の準備で具体的にどのような部分が難しかったのでしょうか。

仁木監督:5連勝を目標にしていた中で達成できなかったこともあり、1週間という短い時間の中で気持ちを作り直すには時間が足りなかったのかなと思います。上のディビジョンを目指すという目標を掲げている以上、気持ちの部分が作れなければラグビーはできませんし、良い試合もできません。成長の過程で出てきた課題だと思っています。昨シーズンには間違いなくなかった課題で、一度良い試合ができても二度目に続けるには気持ちがすべてだと考えています。そこは今後の成長につながる課題だと思っています。

質問者:連敗を続けないことが重要になると思いますが、どのように切り替えてチームに働きかけていきますか。

安達選手:昨年も一度負けたあとに連敗してしまったことが課題でした。今、2連敗という形ですが、シーズン全体ではなくまず目の前の試合に集中することにフォーカスしたいと思います。

 攻め上がるフォスター(左)と佐藤

質問者:この試合で想定通りだったところと、想定外だったところを教えてください。

安達選手:想定内だったのは、相手に良いランナーが揃っていて前に出てくることです。そこはダブルタックルで止めようと話していましたが、下にタックル入って行けてはいたんですけど、オフロードでつながれ、思った以上に止め切れず前に出られてしまいました。そこは想定外というか、反省点です。また、これまでフォワードのセットプレーでプレッシャーをかけられていた部分が、今回はなかなか前に出られず、後半終盤にはスクラムでペナルティも取られてしまいました。フォワードとしてもう一度見つめ直し、強みとしてやっていきたいポイントです。

質問者:フィジカル面の感覚はいかがでしたか。

安達選手:フィジカルで負けていた感覚はありません。ただ、セットプレーでは圧倒したいと思っていたので、そこが出せなかったときにどうするのか、チームとして二の手、三の手を持たないと勝てません。その部分をもう一段階上げていかないといけないと思います。

質問者:次の試合まで2週間あります。この期間でどこにフォーカスして準備しますか。

仁木監督:チームと選手で分けて考える必要があります。チームとしては変えることは一切ありません。今シーズンに限らず、ここ2~3年積み上げてきたものが形になり始めているので、この敗戦をきっかけに新しいことをする必要はないと思っています。これまでやってきたことをより強固にし、意識や気持ちの部分をやり切ることが大事です。一方で選手個々の目線では、通用しなかった選手もいたと思います。ティノ(・ネマニ)やビリー(・バーンズ)などレギュラーメンバーの怪我などで選手が変わる中、チャンスをつかみにいかなければいけません。「誰がいないから」という考えが出た時点で勝負を避けていることになります。全員が戦わなければチームは成り立ちません。トレーニングの仕方など個人で変えられることは多くありますし、スタッフもサポートできます。チームは変わらず、選手は自分自身を見直していく必要があると思います。

気合いの表情でスクラムに臨む立川

質問者:今日は白子選手が久しぶりに公式戦に出場しました。今季からキャプテンを引き継いでいますが、参考にしている点はありますか。

安達選手:厳しい場面でキャプテンが先頭に立ち、前に出ていく姿勢をもっと見せていかなければならないと思いました。後半、白子さんが出場して全員を鼓舞してくれている姿を見ましたが、毎試合必ず来る厳しい場面において、声やプレーで先頭に立ってチームを前に進められるよう見習っていきたいと思います。

質問者:ありがとうございました。


◇白子雄太郎選手インタビュー

体を張ったプレーを見せる白子

質問者:点差が開いている状況で試合に入るにあたって、どのようなことを意識しましたか?

白子選手:しっかりと、やるべきことをやるっていうところが最低限のところ。プラスアルファできることとすれば、後半入ってくるメンバーとしてチームに勢いを与えるってことも求められるんで。特にちょっと劣勢で沈み気味だったんで、チームが息を吹き返すようなプレーをできたらなと思ってました。

質問者:できた点、改善点を教えてください。

白子選手:できたところはボールキャリー*のところです。今週は特に大きい相手に低いボールキャリーをしようって話をしてて、キックオフからのレシーブでボールキャリーできた時に良いキャリーができたんで、そこは一つ良かったのかなと思います。もっと精度を上げたいなと思ったのはタックルの部分です。入りは悪くなかったんですけど、結局重さに負けて相手を向こう側に跳ね返すようなタックルができなかったんで、そこはもうちょっと鍛錬が必要なのかなと思ってます。

*ボールキャリー:ボールを持って相手陣地へ進むこと

質問者:シオネ(・タリトゥイ)選手と居残りでよく練習している姿をよく見ます。

白子選手:タックルの入り方とか体の使い方とか、体重の乗せ方とかタイミングとか狙う位置とか。今までタックルをハートでやってきたタイプなんですけど、今シーズンはずっとシオネとパートナーで練習してて、彼のスキルを習ってる感じですね。

質問者:ペアの練習は白子選手の希望で始めたのですか?

白子選手:そうです。カンタベリーとかタスマンの中で、バックロー*でチームメート同士すごく練習してお互いに高め合ってきた良いカルチャーがあるってシオネが言ってて。そういう話をしたときに、「じゃあパートナーにならせてくれ」って言いました。そういう輪をもっとバックローで広げて、アフターでタックルやブレイクダウンやボールキャリーをやる人が増えていったらいいねって2人で話してやっています。アーリーエントリーの選手や崎野(諒太)さんも入ってきてるので、だんだん輪が広がってる感じですね。

*バックロー:フォワード8人のうち、スクラムの最後列に位置する3人(両フランカーとナンバー8)を指す。

 攻め上がる金築

質問者:素晴らしいですね。見てていい光景だなと。

白子選手:改めて、タックル一つも解剖して学ぶと、良いタックルをより決めたいって思うようになって、モチベーションが上がりますよね。一緒に練習して、お互いにレビューし合って「よかったね」とか「これもっとこうしたほうがいいよ」とか。自分でもなかなか思いつかないようなことも発見があるんで。ラインアウトで待ってる時とかも、ディフェンスでタイミング合わせて出る練習を一緒にしようとか。練習をただ見るんじゃなくて、実際に2人で入って実践してるのが新鮮で面白いですね。

質問者:去年3月のビジターでの豊田自動織機(シャトルズ愛知)戦もとても悔しい試合だったと思います。今回対戦してみていかがでしたか。

白子選手:去年は試合前に急なメンバー変更や怪我人が多く出て、当日も変更があり、急遽入った選手もいました。でもラグビーなので言い訳はできないと言って臨んだ結果、離されてワンサイドなゲームになってしまいました。ただ今シーズンは、積み上げてきたものやこれまでの戦いぶりから自信もありましたし、「フォワードで戦う」「8人で勝負する」というテーマのもとで臨めました。去年とは違う感覚で試合に入れたと思います。

質問者:去年、白子選手は「勝負も大事だけど、試合後にどれだけ自分たちが上手くなっているかが大事」と話していました。

白子選手:そうですね。毎試合プレビューがあって、やろうとしたラグビーができたかどうかを振り返ります。その中で自分に求められたことができたか、できなかったことができるようになったか、そういう成長を一試合一試合積み重ねていくことが大事だと思っています。ただ、今シーズンはディビジョン1の入れ替え戦を狙う以上、勝敗を度外視するのではなく、勝ちにこだわらなければいけません。去年の「トップ4に入ろう」というチームとは全く違い、入れ替え戦に行くために本気で勝ちにいくマインドに変わっています。

 空中のボールを奪いあうバンワイク

質問者:そのマインドの変化は、昨年の納会の場で目標を掲げた頃からですか。

白子選手:選手たちも皆「ディビジョン1を狙いたい」と口にしていましたし、僕自身もそういう気持ちがありました。あの場で話したことがすべてではありませんが、結果的にチームとして上位を目指す方向に気持ちが揃っていったのだと思います。

質問者:去年の豊田自動織機戦後にチームメートに対して「トップ4に行って、次にディビジョン1に行くんじゃないのか。これじゃ全然足りないよ」と言っていた姿が印象的でした。

白子選手:そうですね。あの試合は個人的にも本当に悔しかったですね。メンバー変更や怪我人が重なり、主力を欠いた状態でトップチームの豊田自動織機に臨んだ時、戦う前から気持ちが受け身になっていたんじゃないかと感じました。上を目指すチームとして、根本のハートが足りなかったことが悔しかったです。内容や点差以上に、そこができていなかったと思っています。自然と涙が出るくらい悔しい試合で、今でもすごい覚えてます。しかも試合後に僕はレッドカードにもなってしまって。

質問者:そうですよね。

白子選手:その後の練習で膝の内側靭帯を痛めてシーズンアウトになっちゃったんで、今日は約1年ぶりの公式戦だったので、そういう思いもありました。

 タックルする佐藤

質問者:でも去年より成長を感じている、と。

白子選手:はい。勝ちにこだわるマインドがチーム全体で大きく変わったと思います。仲間が頼もしくなっている実感もあります。技術や戦術も大事ですが、一番根っこの部分がないとやっぱり勝てないとここ数年ずっと感じています。そこを大切にしていきたいです。

質問者:今シーズン出場機会が限られている中でも、白子選手の練習での姿勢がチームに影響を与えているように見えます。

白子選手:意図してやっているわけではありませんが、評価されていない時やスポットライトを浴びていない時の行動こそ見られていると思っています。そこで投げ出すのは格好悪い。いつ呼ばれても良い仕事ができるようにしていたいんです。

質問者:シオネ選手の存在も大きいですか。

白子選手:すごく大きいです。試合に出ていなくても、新しい発見があると次に試したくなる。今日はシオネと一緒に試合に出れて嬉しかったです。今後の試合でチャンスがあったら、2人で一緒に前に進めるプレーができたら嬉しいですね。

 前半36分、トライを決めるトゥイトゥポウ

質問者:似たポジションでライバルでもあると思いますが、とても良い関係ですね。

白子選手:リスペクトしかないですね。代表レベルで長くやってきた選手は見るところが違いますし、考え方にも刺激を受けます。まずは真似から始めています。今のタックルに入る姿勢とか、シオネに似てきたんじゃないかなと思います。

質問者:シオネ選手に白子選手の話を聞いたら「学生のように向上心を失わない、素晴らしい選手だ」と言っていました。

白子選手:学生のような(笑)。

質問者:もともとは博報堂の関連会社で働いていたんですよね。

白子選手:はい。社会人スタートは2015年で、ブルーシャークスにもその年に入りました。前職の仕事も楽しかったのですが、ラグビーをする環境を整えるために2017年7月に現在の清水地所へ移りました。

質問者:現在のお仕事の内容は。

白子選手:今はオフィスリーシングなど外向きの営業が中心です。前職と違う緊張感がありますが、ラグビーとの両立という意味では今の環境が合っています。

質問者:資格も取得されたとか。

白子選手:宅建を取りました。コロナ禍の時に「このタイミングだ」と思って、1発集中で1年で取りました。でも勉強のしすぎで視力が1.5から0.8くらいに下がっちゃいました(笑)。レベルの高いところでラグビーをやりながらでも自己研鑽することは大事だと思っています。

 攻め上がるヘプテマ

質問者:ラグビーの魅力はどこにありますか。

白子選手:大人数で一つの目標を達成し、その喜びを全員で共有できるところです。タフなスポーツだからこそ、最善を尽くして強敵に勝った時の解放感や達成感が大きい。それが醍醐味だと思います。

質問者:チームで喜ぶために、自分がまずちゃんとしなきゃいけないということが前提にある?

白子選手:そうですね。高校まではウイングで、その時は自分がトライしたか、良い仕事をしたかが大事でした。でもフォワードになるとより勝敗やチーム全体を見るようになりました。セットプレーなど一人ではできない部分が多く、団体競技としての感覚が強くなりました。

質問者:今後の個人的な目標を教えてください。

白子選手:個人的な目標は、やっと試合に絡めたので、怪我をせず常に絡めるようにコンディションを整えて、チームにプレーでまず貢献できるようにしたいなと思います。あとはプレー時間をどんどん増やして、自分の良さ、ボールキャリアだったり、タックルの部分みたいなところを試合で出せるように、どんどんやっていきたいですね。

質問者:上手くなっていってる感覚はありますか。

白子選手:あります。タックルのところはリコー(ブラックラムズ東京)との練習試合で良いイメージでできて、感覚が今すごく良いです。ラインアウトのディフェンスの時って、結構遠くから相手が走ってくるんで、ドキドキしてちょっと怖かったりもするんですよ。でも、あれを止められると高揚感が半端ない。ちょっと虜になるような感じですね。

質問者:そうなんですね。

白子選手:シオネがチームの一員になってくれて、パートナーでやってこれてます。そこで自分を成長させることができているようで、またすごく楽しいシーズンだなって思ってます。

質問者:ご本人の資質が一番大きいと思います。厳しい環境を自分の意識で良いものに変えようとしている。

白子選手:今年はインフルエンザに2回かかったり、ノロウイルスにかかったり、結構アウトしてたことが多いんで。去年から怪我もあったりとかで、ジャージが遠いなと思ったりもしてたんですけど、今日1回(試合に)出られたので、まずはすごく嬉しかったですね。

 攻め上がる桑田

質問者:最近練習もすごく激しく、活気がありますよね。

白子選手:そうですよね。「闘争の倫理(著者・大西鉄之祐)」という本があるんですけど、良いファイトをしなくちゃいけないから闘争心は代えがたいし必要なんですけど、その中でも倫理観があることが大事だという内容です。反則はしない、自分たちのプロセスをしっかり踏む、怪我をさせるようなことはしない。そういうのはチームを成長させる上ですごく大事なことですよね。

質問者:シャークスでラグビーを続ける理由を聞きたいと思います。

白子選手:最初はラグビーができる環境がここだったからという理由でした。今は、リーグワン全体でプロ化が進む中で仕事とラグビーを両立してアマチュアリズムを貫いている、時代に逆行しているのって、ブルーシャークスだけじゃないですか。その中で働きながらのカルチャーを貫くっていう最後の砦的な部分があると思うので、ブルーシャークスが強くなること、ディビジョン1に行くことって日本ラグビー界にとってすごく意義があると思うんですよ。これは後付けかもしれないですけど、結果的にここでラグビーできていることって、歳を取れば取るほどすごく幸せなことなんだなって最近思いますね。

質問者:チームも変わってきたように思います。

白子選手:そうですよね。色々なことがあっても皆頑張ってる。今チームにいない人の中にも功労者はたくさんいて。そういう選手たちがブルーシャークスの歴史を作ってきてるなって感じます。だから僕の野望は、ブルーシャークスがディビジョン1に行くってことと、将来このチームから日本代表が出ること。いつか。それが僕の悲願なんですよね。

質問者:ありがとうございました。

体を張ったプレーをみせる中森