◇狭山セコムラガッツ戦マッチレポート

清水建設江東ブルーシャークスは5月31日、海老名運動公園陸上競技場(神奈川県)で行われた「NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 ディビジョン2/3入替戦」に臨み、ディビジョン3・2位の狭山セコムラガッツと対戦。ビジターでの第2戦を31-28で制し、2連勝を飾った。この結果、ブルーシャークスは2試合合計の勝ち点を8として、ディビジョン2残留を決定。チーム史上初となる2季連続でのディビジョン2でのプレーを実現させた。来季はディビジョン1昇格を目標に、さらなる高みを目指す新たな戦いが始まる。

歓喜に沸く選手たちの白のセカンドユニフォームは泥にまみれて、本来の輝きがすっかり失われていた。仁木監督は、その姿を心から誇らしいと思った。そして、胸には様々な感情が去来していた。安堵や喜び、来季への静かな闘志。チームは本当に強くなった。来季もディビジョン2の舞台で戦える。確かな成長を遂げたからこそ、大切に育んできた「文化」を最後まで貫きたかった。「しっかり整列しよう。最後までちゃんとやろう」。雨の中で声援を送り続けてくれたファンへ、ぬかるんだピッチで共に最高の試合を作り上げた狭山セコムラガッツの選手たちへ。その姿勢は、感謝と敬意のメッセージとして静かに伝わった。
こうした「ブルーシャークスらしさ」は、決して一朝一夕にできあがったものではない。仁木監督は「寄り添う姿勢が選手たちの気持ちを変えていく」と語る。「私自身も色々と失敗しながら今日まで来ましたが、チームの雰囲気はリーグワンでも一番だと思います」。ディビジョン3降格を経て、監督に就任してから2年。選手、スタッフや家族までもが一体となり、互いへのリスペクトと信頼を丁寧に重ねてきた。その積み重ねこそが今のブルーシャークスの強さの根幹であり、彼が最も誇りに思う変化だった。

信頼してピッチに送り込んだ初出場の選手たちの活躍で、大一番の機先を制した。前半20分、試合を動かしたのはルーキーのウイング・西端だった。桑田の右サイドへのフィードを、雨で濡れた芝の上を滑り込みながらキャッチ。そのまま右手でインゴールぎりぎりにボールをねじ込み、公式戦初出場で先制トライを挙げた。5分後にはゴール前右サイドのラインアウトから形成したモールでタラマイがトライを追加。正確なスローを投げた、今季先発初出場のフッカー・山本がその起点となった。
大一番で、経験の少ない2人を起用する。だが、それは決してギャンブルではなかった。仁木監督には積み上げてきた日々と、その中で見てきた選手たちの姿があった。「練習で黙々とアピールし続けてきた。もう使わなきゃいけないと思っていた」と語る西端については、ファーストタックルでの出足の鋭さに成長の証を見た。「彼は伸びしろしかない」。トライ以上に、前向きなその一歩を評価した。一方の山本には、試合前にこう声をかけた。「ミスをするなら思いっきりミスしろ。分からなかったら思い切って投げろ」。迷いより、思い切りの良さを選べ。それが仁木監督の伝えたメッセージだった。

任せる覚悟。それは、指導者自身の覚悟でもある。自らの手を離れた時にこそ信頼の真価は問われる。仁木監督は、信じることを恐れなかった。それはただの楽観ではない。失敗するかもしれない、想定どおりにはいかない。そんな不安やリスクを抱えながらも、それでも選手の成長と可能性に光を見いだし、前を向いて託すという選択だった。そして、それは何より「自分自身が前を向き続ける」という強い意志の表れだった。だからこそ、仁木監督のポジティブさには、言葉以上の力があった。その姿勢が、選手たちの背中を押し、フィールドでのひたむきなプレーへと繋がっていった。

孤独や重圧との戦いの中で、支えになったのは家族だった。常に前向きでいることは、言葉で言うほど簡単ではなかった。勝てない日々もあった。その中で先頭に立って、自らの姿勢でチームを導き続けなければならない。それでも、「勝っても負けても、帰れば『お疲れ様』って言ってくれる子どもの存在は大きかった」と仁木監督は語る。特に、サッカー少年だった長男が中学からラグビーを始め、ブルーシャークスの試合を観ながら意見を交わすようになったことには、特別な思いがある。「やらせるつもりは全くなかったんですけど、本人が『やりたい』って言い出して。ブルーシャークスのプレーを見て、『ここはああした方がいいんじゃないか』なんて言ってくるのが、すごく励みになるんです」。一番近くで自分を見ていた存在が、自らラグビーに興味を持ち、その姿勢に共鳴してくれた。それは、仁木監督が真摯に競技や仲間たちと向き合い続けた時間が言葉ではなく「生き方そのもの」で伝わっていたからに他ならない。それは、彼が積み重ねてきた日々の尊さを映し出す何よりの証だった。

来季は更なる高みを目指して戦う。仕事とラグビーを両立しながら、選手たちは日常を懸命に生きている。夜遅くまで働き、限られた時間の中で自らを磨き、仲間と共に勝利を目指す。そんな姿を仁木監督は「誰も成し遂げたことがない挑戦」だと語る。厳しい環境で思いを共有しながら一人ひとりの意志が丁寧に重なり合い、ブルーシャークスというチームの輪郭を形づくってきた。そこには、どこまでも人間らしい温度が宿っている。そして、スポーツの勝ち負けを超えたその温度こそが、観る人たちの心に届くと信じている。だからこそ、挑む価値がある。「このスタイルでディビジョン1を本気で目指している。我々は、仕事とラグビーの両立を本当に純粋に追い求めてやっています」。自分たちはどこまで行けるのだろう。頂きに近づくほどに、道は険しさを増していく。それでも挑戦者として真っ直ぐに進んでいく。その先にきっと、ブルーシャークスにしか見えない景色が広がっている。
◇仁木監督、シアレ・ピウタウ ゲームキャプテン会見

質問者:本日の総括をお願いいたします。
仁木監督:まず初めにこの試合にご尽力いただきました関係者の皆様、本当にありがとうございました。ほっとした気持ちと、色々な気持ちが今錯綜してます。2022-23シーズンに九州電力(キューデンヴォルテクス)との入替戦に負けて降格した時から、ここがスタートだって言い続けて、私自身が監督に就任させていただきました。なんとか昇格して今年残留を決めたというところで、役目を果たせたのかなというふうに感じています。ただもうセコムさんの素晴らしいディフェンスや折れない気持ちはやっぱり勉強させていただきましたし、我々が忘れてたものが今日の試合から見えたのかなと思います。この気持ちは風化させちゃいけないと思ってますし、来季はディビジョン1との入替戦を目指して、もう一度シーズンをしっかり過ごして頑張りたいと思います。本日は本当にありがとうございました。
ピウタウ選手:退団する選手もいれば、シーズン選手として初キャップの選手もいてという色々な感情が混ざり合う中でチームとしてどれだけまとまって戦えるかというところにフォーカスをしました。コーチが考えたプランを選手が最後までしっかり遂行したという点は本当に誇りに思います。今後もしっかり練習して積み重ねていって、またより良い結果を求めてやっていきたいと思います。

質問者:強い雨が降る中での試合でした。考えていた試合のプランはどのようなものでしたか。
仁木監督:見ての通りの天候とピッチの状況でした。たまたまシアレが頑張って(コイントスで)風上を取ってくれたので、エリアをしっかり取って、強みであるフォワードをしっかり前面に出して、スコアを重ねていこうっていう話をしました。後半ここまで風が強いと思ってなかったので、最後は走り続けるとか、ディフェンスで前に二歩三歩出てしっかり相手を止めることにフォーカスする以外ないと思いましたので、その辺をしっかり最後の後半40分まで遂行してくれた結果かなというふうに思っています。
ピウタウ選手:特にゲームプランは変えたわけではなくて、しっかり自分たちでコントロールしていこうというところにフォーカスをあてていきました。コーチ陣が用意してくれたプランは天候に左右されるものではなかったので、そのまま個人の役割をしっかり遂行しようっていう話をしました。

質問者:今回の対戦に向け色々な対策を練られたかと思いますが、実際に戦ってみていかがでしたか。
仁木監督:正直なところどっちに転ぶか分からない試合内容でした。前回の試合もそうでしたが、意地の部分でなんとか2試合とも点数が若干上回ったという結果なのかなと思います。ただ、シーズンを通したラガッツさんと入替戦のラガッツさんでは別のチームのように私自身からは見えていました。この入替戦にかける思いや気持ちは、決して気負わず自然体の中で闘志を前面に出してきているように感じました。なので最後の最後まで気持ちは切れてこなかったですし、普通だったら折れるかなとか、後半最初にトライ取った時に、まあいけるかなとかいう部分も正直あったのも事実ですけど、やっぱりそこから必死で追いかけてこられてこういう展開になりましたので、もう本当に勝って良かったなというところと、勉強をさせていただいたってところ。ディビジョン3にいた時の気持ちを忘れていないつもりでしたけれども、何かこう思い出させてくれるような試合だったんじゃないかなと思います。本当に上から目線で大変恐縮ですけど、もう称賛に値すると思いますし、我々はただスコアが勝っただけで、ゲーム内容を含めてラガッツさんだったんじゃないかなというふうに思います。
ピウタウ選手:相手はディビジョン2でプレーするに値するようなチームだと思いましたし、だからこそ前回の反省を踏まえて個人個人の役割をどれだけ遂行し切るか、ゲームプランをやり切るかという点にフォーカスした結果が今日の形になったのかなと思います。今季を通してやってみて、シーズンの序盤に出場していたメンバーが怪我で離脱したこともあったので、やっぱり総力戦になりましたし、ディビジョン2で戦うには全員の力が必要だということが改めてわかったので、次のシーズンからはやっぱり誰かに頼るんじゃなくて、個々の能力の底上げというのを意識してやっていきたいと思います。

質問者:チームとしては初めてとなる2年連続ディビジョン2で戦うことが決定して、名実ともに強くなったことを証明したと思います。チームとして成長した点、強くなった点について教えてください。
仁木監督:ディビジョン3降格後、私が就任させていただいた時から明らかに変わったのはチームの雰囲気だと思います。リーグワンの中では一番良いと思ってますし、選手だけではなくスタッフ、選手を取り巻く家族、ブルーシャークスファミリーと言ってますが、「ファミリーファースト」っていう言葉を常々掲げています。私自身も色々と失敗しながら今日まで来ましたけど、やっぱり寄り添ったりする姿勢だったりで選手たちは気持ちも含めて変わってくるっていうことがよく分かりました。このチームの雰囲気は、昨日今日で作ったものじゃないと思いますので、一番変わったのはこの2年間で出来上がったこの素晴らしい雰囲気なのかなと。そこが全てかなと思います。
ピウタウ選手:勝ちたいという欲が全員がみなぎっていて、お互いのためにやるというところがすごく変わったのかなと。元からあったんですけど、それがどんどん出てきて、良い方向に繋がったのかなと思います。

質問者:今日が初出場となった選手を含め、今までピッチに立てなかった選手を送り出した意図と、その選手たちの評価をお願いします。
仁木監督:そうですね。ヤス(山本泰之)に関しては正直なところリザーブかなと思ってましたけど、田森(海音)が立川(直道)の後、前回で言えばスクランブルで試合に出てしっかり抑えてくれて、試合を作ってくれたっていう実績があったので、田森を後ろに置いて、未知数ではありますけどスクラムが田森よりも優れているヤス(山本)を起用して、ラインアウトに関しては田森の方がスローイングに関しても上手なんですけど、未知数の部分にかけられるぐらい田森が成長してくれたっていうことが非常に大きかったのかなと思っています。最悪ヤスが駄目だとしても、田森を前半早い段階で投入したとしても、しっかりあのゲームを作ってくれるんじゃないかなという思いで、まあヤスに賭けたっていうところですね。 ラインアウトからスクラムまで、ヤスにとって今日は人生でもベストゲームだったんじゃないかなと思います。西端(玄汰)に関しては、ずっとアーリーエントリーで来ていて、初めちょっと怪我してたんですけど、試合に出たいという顔をしながら1人で黙々と練習をしていましたし、アピールし続けてくれたので本当にどこかで使ってあげたい、使わなきゃっていう思いの中、最後までずるずる来ちゃってっていうところですね。今日はトライをしっかり取り切ってくれましたけど、フォーカスしたいのはトライより一番初めのタックルのところ。しっかり対面の選手を倒してくれたところが全てだったんじゃないかなと思います。彼は伸びしろしかないと思いますし、今日得た課題については来季しっかり克服してくれたら、来季はもう開幕から全部出るぐらいの選手だと思っていますので、すごく期待しています。
質問者:試合前のアップの時に監督が山本選手に話しかけていましたが、どのようなお話をされたのでしょうか。
仁木監督:そうですね。まず「気持ち(が大事)だぞ」と。あと「ミスするなら思いっきりミスしろ。下向いてミスすると後を引くから」と。「分からなかったらもう思い切り投げろ。そしたらそれが仮にミスだとしても自分で消化できるだろう」という話をしました。

質問者:今日の試合は後半残り15分で3点差という厳しい展開の中、最後までリードを守り切りました。ゲームキャプテンとしてフィールド上ではどのような声がけをしましたか。
ピウタウ選手:プロセスとチームメートを信じきろうっていう話を最後までしました。前の試合ではそこができなかったので、「勝つためにプレーしよう」と。受けに回ってこのリードを守ろうというイメージじゃなくて、しっかり最後まで強気で行こうという話をしてました。
質問者:ミスが許されない状況で最後まで点数を守り切れた要因は。
ピウタウ選手:やっぱりプロセスに尽きるかなと思います。どれだけプロセスを信じきるかというところ。一瞬一瞬プレーしようとスコアボードを見るんじゃなくて、その都度1個1個のプレーに集中しようっていうところが要因になったのかなと思います。あとはゲームドライバーが時間の使い方などをしっかり考えてくれてたんで、それに従ってフォワードも体を最後まで張り続けてくれた結果として勝つことができたので、すごく嬉しいです。(シーズン最後の2戦の)九州電力(キューデンヴォルテクス)戦の引き分けと、日野(レッドドルフィンズ)戦での最後の逆転負けがかなり良い勉強になりました。

質問者:今シーズン、チームは「プロセスを守る」ということを大事にしながら戦い抜きました。そして、仁木監督ご自身もそのプロセスという中の一環として常にポジティブでいることを心がけていらっしゃいました。それを守り続けることはとても難しいことだと思うのですが、支えになっていたものなどはあったのでしょうか。
仁木監督:私は日体大から清水建設に入らせてもらって、正直なところ皆さんからしたらキャリアは下だと思ってるんですけど、そういったコーチがこのチームにしっかりコミットできるような環境を作るっていうところ、悪く言えば邪魔をしないっていうところが一番大事なところだと思ってました。ポジティブな面はある意味俯瞰して見れていた部分があるので、声をかけられたのかなと思ってます。支えになったのは、子どもの存在です。負けても勝っても、どんな時でも帰れば「お疲れ様」って言ってくれる子どもの存在は非常に大きかったですね。私事で大変申し訳ないですけど、サッカー少年だった長男が自発的にやりたいと中学校からラグビーをすることになりまして。やらせるつもりは全くなかったんですけど、その長男がこのチームの試合をよく見てくれていて、ああじゃないかこうじゃないかっていうふうに言ってくれるところも、非常に励みになったのかなと思ってます。本当に家族の存在が全てかなと思います。

質問者:仁木監督は「気持ち」という言葉を繰り返し使われていたことが印象的でした。勝ち負けだけではなく、ラグビーを通して何かを伝えたいという思いがあるのではないかと感じましたが、ラグビーやブルーシャークスというチームを通して伝えたい思いがあれば教えて下さい。
仁木監督:我々は仕事とラグビーの両立を本当に純粋に追い求めてやっています。それは日本人選手が夜遅く残業して、最後まで仕事にしっかりコミットして、この試合に備えてくれてるということ。そういった状況の中でもリーグワンのチームとして上位を目指せる存在、リーグワンに居続ける存在でいるっていうところが、感じてもらいたいところです。本当に難しい挑戦ですし、おそらく誰も成し遂げたことがないような挑戦だと思うんですけど、社業もしっかりさせてもらっている中で、このスタイルでディビジョン1を本気で目指してますので、来季はしっかり狙っていきたいと思います。
質問者:来季ディビジョン1での入替戦を目指す上で、チームに必要な部分はどのようなところでしょうか。
仁木監督:そうですね、練習の時間を集中して効率良くやることにフォーカスすることだと思います。私が監督に就任した時、日本人選手の練習参加率はおそらく7割強~8割弱ほどしかなかったんですけど、そこを上げることにこだわった結果、今シーズンはおそらく95%以上の参加率になっています。ただ厳しい言い方ですけど、来ることがゴールになっている選手が若干いるようにも見えています。ラグビーにどっぷり時間を使うことができない環境の中では、やっぱり努力の質を上げる、時間の質、使い方をしっかり追い求める、1分1秒無駄にしないっていうところが大事になってきます。こういう難しい挑戦をしている以上、同じ1分に対して人と同じ過ごし方をしてはいけないと思ってますんで、日々の練習にしっかり集中して効率良くやるところにフォーカスしていけば、成し遂げられないわけじゃないと思っています。
ピウタウ選手:今季は監督とコーチ陣がしっかり環境を整えてくれたので、次のステップとしては個人個人がどれだけ1個1個の練習で求めていけるかを、フィールド上だけでなくフィールド外でも、しっかりと自分の行動を見つめ直してディビジョン2にいるに値するチームになることが大事だと思います。 今回は受けに回った部分もたくさんあって、受ける戦いをしても結果がついてくるだろうという甘い気持ちもあったので、どれだけこちらから挑戦して求めていけるかが鍵になるかなと思います。
◇山本泰之選手 一問一答(今季初出場でフォワード陣を牽引)

質問者:ディビジョン2残留を決めたお気持ちをお願いします。
山本選手:本当にほっと…客観的かもしれないですけど、ほっとはしています。ほっとしている部分もあるんですけど、もう来年のことをもう考えて。仁木監督も仰っていた通り、次は上位の入替戦を狙うために、すぐそこに向けてチームとして動き出さないといけないなっていうのが、今の率直な気持ちです。
質問者:この大一番で今季初先発。メンバー発表を聞いた時はどのような気持ちでしたか。
山本選手:自分が呼ばれた時はびっくりしたとかそういう感覚はなくて、自分に求められるところはセットプレーのところだと分かっていましたし、信頼して選んでいただいていただいたので、しっかり自分の役割を全うして、しっかり仕事をしたいなっていう強い気持ちはありました。
質問者:以前「試合は緊張する」と仰っていましたが、本日の試合で全くそのようには感じられず、ラインアウトもスクラムも素晴らしかったと思います。
山本選手:いや終始緊張しました、めちゃくちゃ緊張しました(笑)。人生でもこういう大一番を経験することは少ない方だったので、本当に終始緊張したんですけど、やっぱり緊張してる感じを出しているとチームが気を遣ったりしてしまうのが嫌だったんで。もう全然緊張していない、全然いけるよみたいな感じの振る舞いはしようと(笑)。それはもう試合中も心がけていました。

質問者:前半25分にはモールからトライを奪いました。振り返っていただいてもいいですか?
山本選手:そうですね。今回「フォワードで圧倒しに行く」「モールのところが生命線」と言われていたので、そこでトライを取れたっていうのはチームとして、フォワードとしてすごく大きいなと思います。今シーズン始まった時からモールも含めたセットプレーについて、プロセスを踏んで皆で積み上げてきたので、この大一番で取れたのは本当でかいなって思います。
質問者:来季ディビジョン1との入替戦を目指す中で、チームとして、また個人として上積みしていきたい部分はどのような点ですか?
山本選手:個人的には初めてディビジョン2を経験して、フィジカルの違いや緊張感、独特な雰囲気とかを感じました。この1年それをしっかり経験して、個人的に見直さなきゃいけない部分は明確に分かっているので、この瞬間からスタートしている来季に向けて、そこを頭に入れてやっていきたいです。もちろん社業とラグビーの両立が厳しいのは承知の上なんですけど、やっぱり勝って皆で喜びたい気持ちがあるので、しっかり課題にフォーカスして取り組んでいきたいなと思います。
質問者:長いシーズンが終わって、オフにやりたいことはありますか?
山本選手:いやもう焼き肉食いたいです(笑)。一旦、焼き肉たらふく食いたいですね。あとは友達とリフレッシュしたり、遊びに行ったりとか、そういうのはしたいなあと。あとは実家に行って両親に顔を見せたりとか、そういうことをしたいですね。
◇西端玄汰選手 一問一答(公式戦初出場、初先発で1トライを挙げる活躍)

質問者:おつかれさまでした。値千金の活躍でした。
西端選手:いえいえ全然そんな(笑)。
質問者:緊張しましたか?
西端選手:仕事(研修)中は想像するだけでずっと緊張してたんですけど、試合前となったら落ち着いて。全然、緊張しなかったですね。
質問者:仁木監督が会見でファーストタックルがすごかったと褒めていました。
西端選手:対面の相手(の選手)が何回もやったことある選手で、やり慣れてたんで思い切って行けました。

質問者:トライの瞬間はいかがでしたか。
西端選手:めちゃくちゃ気持ちよかったですね(笑)。(インゴールにグランディングできたか)あまり確信はなかったんですけど、トライになってよかったです。
質問者:トライの場面を自分でご自身で振り返っていただけますか。
西端選手:アドバンテージが出ていて、外回ってたらスペースがあった状況だったんで、パスを呼んだら(桑田)宗一郎さんが反応してくれたんで。トライに繋がりました。
質問者:今までなかなかメンバーチームで練習する機会が少なかったと思いますが、この1週間でチームにフィットできた要因は何だったんでしょう?
西端選手:やっぱりコーチ陣が気にかけてくれて、色々教えてくれたので。コーチの皆さんに感謝ですね。

質問者:仕事を始めたばかりで大変なこともあると思いますが、両立はいかがですか。
西端選手:徐々に慣れてきましたけど、やっぱり体もしんどくなる時もあります。でもやっぱりラグビーが大好きなので、全然モチベーションは変わってませんね。
質問者:清水建設江東ブルーシャークスの印象を教えてください。
西端選手:アーリーエントリーの時は分からなかったんですけど、皆めちゃくちゃハードワークしている良いチームやなと思っています。
質問者:会見では監督から来季はディビジョン1の入替戦に行くという話が出ました。ご自身では来季どのような点を積み上げていきたいと思いますか。
西端選手:やっぱりフィジカルを積み上げていきたいです。体を大きくしつつ、足の速さ、走れるところで走れるようにフィジカルを上げていきたいです。

質問者:ファンの方々に向けてアピールポイントを教えてください。
西端選手:僕ゲラってめっちゃ言われるんですよ。なので笑顔ですかね(笑)。
質問者:最高の笑顔です。ありがとうございました。