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豊田自動織機シャトルズ愛知戦マッチレポート

 清水建設江東ブルーシャークスは2月8日、東京・江東区の夢の島陸上競技場で行われたNTTジャパンラグビーリーグワンディビジョン2第5節で、豊田自動織機シャトルズ愛知に15-47で敗れた。これによりチームは開幕2連勝の後に3連敗となり、黒星が1つ先行する形となった。次節は2月22日、柏の葉公園総合競技場 (千葉県)でグリーンロケッツ東葛と対戦する。

夕暮れの夢の島競技場でプレーするブルーシャークスの選手

 試合後の円陣。悔しい敗戦となったが、下を向く選手は1人もいなかった。「結果はこういう形だけど、全然差はないと思っている。負けた理由、全員、試合出ていない選手も含めてやりましょう。前を向いてやりましょう」と仁木監督。白子キャプテンも「この課題を克服できるようにチャレンジしよう。1日1日大切にして上だけ見て強くなるように」と力強く言い切った。その言葉に呼応するように、再度闘志をみなぎらせたブルーシャークスの選手たち。そこには成長する集団特有の、ひたむきなまでに前向きな雰囲気が満たされていた。

試合後の円陣で次戦への決意を固めたブルーシャークスの選手

 試合はいきなり動いた。前半3分に一瞬のすきを突かれて豊田自動織機シャトルズ愛知にトライを奪われる。上位を走る相手からの先制攻撃。だが今季ディビジョン2で堂々たる戦いを続けるブルーシャークスは動じない。逆に同13分に絶妙のキックパスも交えた連続攻撃から桑田がトライ。ゴールも決め逆転に成功した。そのあとは一進一退の攻防が続く中、光ったのは粘り強く統率された守備。自陣深くまで攻め込まれても、魂のこもったタックルを連発し均衡を保つと、同32分にはバンワイクがペナルティーキックを決め、リードを広げた。

タックルする金築

 だが試合後、「勝負のあやが…」と白子キャプテンも悔やんだ、2つの大きな流れがブルーシャークスの前に立ちはだかった。1つは5点リードで終われると思った前半終了間際の36分、39分に、立て続けに取られた2つのトライ。そして痛恨だったのは後半19分にソポアンガのトライで4点差に迫った直後の、相手キックオフの処理ミスから取られたトライだった。「キックオフの声かけや、(トライを)取ったことで満足してしまい、次のプレーにつながるところに指示徹底ができていなかった」と仁木監督は声を絞り出した。このプレーから勢いを失ったチームは、連続してトライを許し15‐47の敗戦を喫した。

 前節の試合から3週間、万端の準備はしてきた。各ポジション・役割のリーダーが集まって、練習の時から綿密な打ち合わせをして意思統一を図ってきた。エリアマネジメント、ゲーム運びは安定し、見事に統一された動きでリードも奪って見せた。この試合が初キャップとなった高井、30キロ以上の減量に成功してピッチに立ったソシセニがスタメンに入るなど、新たな力も出てきてチームも活性化してきた。過去5戦全敗の相手を越える、その勢いは確かにあった。

攻め込むフォスター

 だが、克服しないといけない壁が、またもブルーシャークスの前に立ちはだかった。「後半20分過ぎてから失点が多いのは、前の試合を含めて今シーズン課題だったので、絶えず言い続けていたのですが」と仁木監督も話す、残り20分の戦い方だ。この試合でも不運な形でトライを奪われたのが口火となったが、28失点。ラグビーとフルタイムの仕事を両立させている選手たちにとっては、練習量の裏打ちが直結するスタミナ、本当に苦しいラスト20分のプレーは、高い高い壁となるだろう。だが「環境は言い訳にできない」と指揮官がいう通り、この難題に知恵を絞り、団結して乗り越えてこそ、応援してくれる周囲の人たちにも、さらに愛され誇りに思われるチームになるはずだ。

気合の入ったプレーを見せる田森

 「具体的には後半のボールロストですね。その課題はどうしてもきつい時間だと思うのですけど、どう自分たちを律するか、自分たちがミスで終えるわけじゃなくて、ゲインができなくてもキックで前に進めるだとか。そういったところが課題なので、やっていきたいですね」と白子キャプテン。問題に対して逃げることなく、真正面から挑む姿勢に、チームとしての成長の余地が感じられた。
試合後の会見で、仁木監督は「チームは伸びしろしかないと思いますし、逆にその伸びしろを、どう我々コーチ陣が引き上げてあげるか。我々がしっかり勉強してしっかり導くことが、これからも浮上するところだと思っています。選手は本当によくやってくれています」と言い切った。3戦勝利からは遠のいているが、それを糧に次戦のグリーンロケッツ東葛戦で、成長の跡を見せる。

 

◇仁木監督・白子キャプテン会見

試合前練習の円陣で気合いを入れる白子キャプテン

質問者:本日の総括をお願いします。

仁木監督:本日は開催にあたり、ご尽力いただきました関係者の方々、ありがとうございました。結果は、かなり厳しい結果だったのかなと思いますが、ポジティブなところが多々あったように思いますので、リーグ戦の1試合というふうに思って反省すべきところをしっかり反省して、次につなげていきたいなと思っています。本日はありがとうございました。

白子キャプテン:この試合エリアマネジメントと、キックでエリアを取っていてばかりではダメなので、チャレンジャーとして自分たちのアタックする時間を、という2つ焦点に当てていましたけど、なかなか後半はエリアを取ることができず。またモールやペナルティーが連続してしまって、きつい時間帯が長くなってしまったかなと思っています。チームの課題は引き続き一緒ですので、次戦に向けてそれを克服できるように、また1日の練習を大切にしてビルドアップしていきたいなと思っています。

質問者:今日は途中までかなり競った試合で、後半19分のリマ・ソポアンガ選手のトライ直後に、相手に1本取られてから一気に厳しくなってしまったと思いますが。

仁木監督:そうですね。やはり、後半20分過ぎてから失点が多いというのは、前の試合を含めて今シーズン課題だったので、絶えず言い続けていたのですが。なかなか徹底できなかった部分と、いつも言われるボディープロみたいなものがおそらく効いていた部分と、トライを取って逆に行くぞとならず、もしかしたらほっとした部分もあったのかもしれない。いろんなメンタルが合わさって、多分ああいう結果になってしまったのかなと思っています。そこを徹底させることができなかったのは私の責任かなと思います。

白子キャプテン:競ったところの次のプレーが大事だったと思うのですけど、試合のあやという部分で結構大きかった。その後、ラインアウトモールでグッと押されてしまって、またペナルティー。自分たちの負の連鎖に入ってしまった。後半の戦い方もそうですし、試合のあやとなるシーンでエナジーを上げてみんなでディフェンスをする、ペナルティーを取られない、そういったところのマインドの部分で変わっていくところ。次節には絶対修正していきたいですね。

質問者:マインドの部分をもう少し具体的に見ると、持久力なのか、リーダーシップを取る声かけなのか、どういうところにあると思いますか。

仁木監督:本当に選手は絶えず気持ちをたぎらせてプレーしてくれていましたので、そこの部分は評価しています。ただインターセプトでトライを取った後、ノックオンから相手ボールになって、そこからモールで押されたというところは、やはりキックオフの声かけや、さっきも白子が言いましたけど、(トライを)取ったことで満足してしまい、次のプレーにつながるところに指示徹底ができていなかった。我々も上からインカムでつながっていますが、そういった声かけをできなかったところは、我々のせいあるのかなと思っています。全員がやっぱりそこをもう一回いくぞ、もう一回やるぞと徹底できなかったメンタルのところかなと思います。リーダーシップとか含めて、白子含めて選手は全員よくやってくれたと思います。

ブルーシャークスでの初キャップを記録したソシセニ

質問者:今日初キャップの髙井選手と、ソシ(ソシセニ)選手の評価をいただけますか。

仁木監督:ソシに関しては入団したときに、130キロで来ると約束したが150キロで来て、全員体重計見てびっくりしたのですけど。12月過ぎにようやく120キロを切って、これだったら試合で使えるかなとなった。見どころのところにも書いていただきましたけど、コーチが本当に親身になってグランドもグランド外もダイエットの手伝いをしたのかなと思います。本当に全員の力でピッチに立った。ただ、本人はめちゃくちゃ頑張ったので、色々な課題が出たと思いますが、次につなげてくれるかなと思います。髙井に関しても、同期で試合に出てなかったのは高井だけだと思う。本人自身出遅れた感と怪我やいろいろな不運も重なったが、今日初キャップを迎えることになった。よくやってくれたと思いますが、ここでよくやったというと彼の性格上満足して止まっちゃうと思いますので、厳しい言葉をこの後かけたいなと思います(笑)。

質問者:相手との対戦で今まで一回も勝ってない中で、試合前どういうことをチームに伝えましたか。

仁木監督:今季のディビジョン2は、多分記者泣かせの成績になっているのも事実だと思います。逆に言うと、本当に戦力が均衡している証拠だと思うので、我々は絶対勝てる、勝たなきゃいけないと思っていました。ただ豊田自動織機さんには1回も勝ったことがなく、山で言えば本当に険しい山だと試合前に声をかけていました。この山はみんなの力がないと登れない、誰一人かけたら登れない山だと思って、全員ですべてのプレー、すべての時間しっかり頑張ろうと声をかけて試合に臨んでいました。

白子キャプテン:2勝2敗での5戦目で、初戦と2戦目のような勢いを取り戻す上で重要な試合だと位置づけていた・ここで1勝すると勢いに乗ると思うので、そういった声をかけていました。ただただネガティブなことばかりじゃなくて、自分たちの課題に対してポジティブにできていることが多くなってきて、チームの成長はみんな実感している。引き続き去年ディビジョン3からディビジョン2に上がってきたチャレンジャーとして、一戦一戦毎回成長を重ねて戦っていくだけだと思うので、そこを引き続き頑張ってやっていきたいなと思います。

気合いの入った表情でスクラムを組む李

質問者:モールでは苦しい部分もあったと思いますが、スクラムは安定していて手応えがあるかなと思うのですが。

仁木監督:スクラムに関しては全く心配してないです。リザーブ含めてメンバー外もかなりレベルが上がっていると思いますし、誰が出ても多分同じ結果になるかなと思います。モールに関しては選手が変わったりで、コミュニケーションの部分がうまくできていなかったのかなと思いますけど、前回の試合もきっちり止めましたし、モールに関しても成長している。ただモールは押されてトライに直結するプレーだと思うので、今日押されてしまった原因は、我々コーチ側が全員でしっかり見つめて、次の練習のときにフィードバックをしっかりして、次戦に向かっていきたいと思っています。

白子キャプテン:フォワードの今回のテーマは、「OurProcess」と「Aggressive Mind」。自分たちのしっかりプロセスを踏んだ上でアグレッシブなマインドを持って取り組もうと。スクラムはすごくプロセスを踏んで、しっかりと自分たちがやりたいようにできたと思うんですけど、モールはシックスメンのディフェンスは良かったが、ファイブメンに相手が切り替えたところで、役割や迷ってる部分があった。そのラーニングの部分が足りなかったと思うし、新しく課題に出たので、そこはもう1回持ち帰って、シックスメンでもファイブメンでもしっかり止められるように、またチームをレベルアップさせたいなと思います。

質問者:キャプテンにお伺いしたいのですが、今節に向けて各ポジションリーダーが練習の前に集まって話をしたと伺ったのですが、その内容と、この試合にどう活きたか教えてください。

白子キャプテン:各セットプレーのリーダー、アタックやディフェンスのリーダーがいるのですが、アタックはアーリセットとしっかり前を見て判断しましょう、ディフェンスはディープコネクション、相手強いランナーがいるのでコネクションを保ってディフェンスしましょうと、リーダーたちと話し合ってテーマを決めました。アタックのところはスタンドオフのリマ(ソポアンガ)だったり、クーニー(バンワイク)を中心にゲーム運びだったり、エリアマネジメントのところも含めて話していたのですけど。どうしてもプレッシャーがかかる中や、自分たちがきつくなってきたシーンで、そういったところを実行できなくなり、我慢できないのが試合後半の点差に出たのかなと。ラグビーは80分やるスポーツなので、80分間一貫性を持って取り組めるか、メンバーが代わってもできるのか、そういうスクランブルの中で、できる必要があると思うので、そこをもっともっとレベルアップしていきたいなと思います。

ラインアウトでボールをキャッチするロウ

質問者:監督にお伺いしたいのですが、初キャップの髙井選手は練習からいいパフォーマンスをして練習試合でもよかった。彼がこの試合に出たことで他の選手に影響はありますか。

仁木監督:我々はサンバチームとメンバー外のチームを言っていますが、彼は1つのチャンスを手繰り寄せた。彼が出てくれることによって、サンバチームのメンバー全員が頑張ったら出られるという雰囲気になると思います。現に今のメンバーには申し訳ないですけど、サンバチームの方が練習中に勢いがあるので、全員代えてもいいかなと思うぐらいで、高井が出てくれることによってそういったところも活気づきますし、じゃあ、もう絶対出られるという雰囲気になっています。そういった部分で相乗効果をもたらしてくれていると思います。

質問者:スポーツは違うのですが、イチロー選手がメジャーリーグで満票での殿堂入りにならなかったときに、伸びしろがあるのはいいことだというような趣旨の発言をされていました。今のブルーシャークスに通じるものがあるかと思いますが、それを踏まえた上で気持ちを教えてもらえますか。

仁木監督:もう、伸びしろしかないチームだと思っています。もう仕事とラグビーの両立、フルタイムで仕事をしっかり最後までして、これはあえて声を大にして言いたいのですけど、本当に嘘を偽りなくフルタイムで選手は仕事をしています。朝8時半から5時までしっかり仕事して、遠征がある日は金曜日の終電に乗って新幹線の中でも仕事して選手が来てくれています。そういった部分に関してはこれをラグビーに費やす時間があればもちろん伸びしろになるんですけど、ただ環境には言い訳できないと思っていますので、しっかりラグビーに取り組むところ、頭も体もしっかり今コミットしてきてくれてるので、伸びしろしかないと思いますし、逆にその伸びしろをどう我々コーチ陣が引き上げてあげるか、というところかなと思っています。我々がしっかり勉強してしっかり導くことが、これからも浮上するところだと思っています。選手は本当によくやってくれています。

白子キャプテン:ここ3試合、チームとしての課題が変わってないので伸びしろはあるのですけど、課題を克服していかないと成長はないと思う。また新たな課題が出るように今の課題を早く克服して、歩みをどんどん進めていきたいなと思っています。チームとしては結果に対して悲観している声はなくて、その中でも成長は感じられている。ただ今の課題はまだ克服できていないので、それをしっかり克服して、また新しい課題、それでその課題を克服していって、そういう成長が継続していけたらなと思っています。

試合後の円陣で選手を前に話す仁木監督

質問者:試合後の円陣で、前を向いていて、上を向いてと、かなり強調されていたと思うんですけど、このタイミングで強調された狙いは。

仁木監督:もちろん試合に関して一喜一憂するのも当然だと思いますけど、ここの負けをどう受け止めて次に生かすかしか私自身はないと思っています。リーグ戦待ったなしで次の試合は来ますので、ここの切り替えという部分は絶対必要だと思っています。ここは全員が切り替えをして欲しいというところで言葉を伝えました。

白子キャプテン:一戦一戦成長していって、シーズンを振り返った時に、自分がシーズンスタートした時よりもチームがこれだけ強くなれたよねって思えることって大事だと思う。まだ5試合終わったところで負け先行になってしまいましたけど、全然決して悲観することはなくて、またその課題を克服して成長していく。そういったところはチームとしての醍醐味というか面白みがあるところもあると思う。みんなでその課題を克服して、どんどんいいラグビーができる、レベルの高いラグビーができるようになるのは、すごく楽しいと思うので、チームでどんどん追い求めていきたいなと思っています。

質問者:ここ3戦の同じ課題というのは、後半残りの20分の部分が大きいのですか。

白子キャプテン:具体的には後半のボールロストですね。自分たちのミスもそうですし、ペナライズしてしまうところ、ディフェンスが我慢しているのだけど、点は取られていないのだけど、結局アドバンテージの中でアタックされるので、相手がまたペナルティーのラインアウトから継続してアタックできちゃうとか、そういったところがある。その課題はどうしてもきつい時間だと思うのですけど、どう自分たちを律するか、自分たちがミスで終えるわけじゃなくて、ゲインができなくてもキックで前に進めるだとか。そういったところが課題なので、やっていきたいですね。

質問者:監督がスタンドからずっと「白子我慢」と言われていました。それはこの20分のところにもつながる話ではないかと。

仁木監督:グラウンドに関しては、ヘッドコーチの吉廣がすべてやってくれていて、私は気持ちしか選手は伝えてないものですから。ここを我慢して欲しかったですし、我慢の先にチャンスがあると思っていますし、ここでタフになって欲しかった。我慢して次の起点にしてほしかったという部分で、そこの我慢という部分は声をかけ続けていました。

◇髙井選手インタビュー(背番号14をつけて、リーグ戦初出場。ディフェンスで奮闘し、対面の191センチ、98キロの大型ウイング、ペ二選手を封じる)

リーグワン初出場を果たした髙井

質問者:この試合がブルーシャークスでの初キャップです。試合に出られた感想はいかがでしょう。

髙井:自分自身言われた役割の仕事はできたのですが、まだまだ課題だらけで。それが出せなかったから試合の結果も繋がってこなかったので、そこは修正して次に繋げたいと思います。

質問者:具体的に自分の役割とは?

髙井:今日はディフェンスです。相手のウイングが結構キーマンだったので。最初想定していたのは、この選手と思ったんですけど、2日前のメンバー発表で違う外国人の選手が対面になっていて。ただ、誰であろうとやるべきことは変わらないので、覚悟を決めてやろうと。今回はディフェンスを思いっきり向かって行ってやった感じです。

攻め込む髙井

質問者:緊張などはされましたか。

髙井:グラウンドに来るまでは、あまり緊張しなかったんですけど。ウォームアップが始まってから徐々に緊張し始めて。でも周りのみんなやコーチ陣が声をかけて下さったので。それで試合前にはだいぶ落ち着いて臨めたと思います。

質問者:監督が同期の中で高井選手が試合に出たのが、一番最後ではないかと言っていました。そういう苦労された中での努力が実った形の試合でした。

髙井:そうですね。でも、あまりそこは考えてなくて。同期が去年から試合に出ていましたが、今年(自分が)少しチャンス掴めたので、あとはやりきるだけだなと思って、そこは考えずに自分の仕事をまっとうしようとやっていました。

質問者:特にディフェンス面では、とても自分の仕事をできているように見えました。

髙井:自分の言うのもなんですけど、できたのではないかと(笑)。

質問者:相手のキーマンを相手に、具体的にどのように考えてディフェンスしようとしていましたか。

髙井:まず(相手にボールを)持たせないように、だいぶ早くハードに上がって外にパスさせないようにしようと。もし繋がって通されたら、もう全力で追いかけて止めようという感じでした。

質問者:かなり覚悟を決めたディフェンスが功を奏していたのですね。そういえば、おでこに裂傷があります。試合中のけがですか?痛みなどは?

髙井:試合中です。どの場面でなったかは全然覚えてないんですよ(笑)。知らない間になっていて。でも痛みは試合中、全然感じなかったです。

質問者:それくらい集中されていたのですね。それでは試合全体のことを。途中まで競った展開でしたが、残念ながら最後に差がつく形になりました。

髙井:自分たちのミスで結構やられたんじゃないかと思っていて、自分たちのやるべきことを明確にして、それを後は実行することだけだと思います。あとは再来週の次の試合までにミスを修正して自分たちのラグビーをできたら、結果がついてくるのではないかと思うので、そこの準備をしていきたいと思います。

試合後に笑顔を見せる髙井

質問者:次の試合ということですが、ディフェンスがやれることも分かってくると、ウイングである以上、トライも狙いたいのでは。

髙井:今日はアタックが全然良くなかったので。自分は他の人に比べて体が小さいのですが、強みはスピードと捕まった時のボディバランスだと思います。そういうところを次までに修正したいと思います。

質問者:スピード自慢とのことですが、タイムなどは。

髙井:大学生の最後に測った時は50メートルを6秒1くらいでした。

質問者:やはり、かなり速いですね。

髙井:今はディフェンスでスピードを活かしている形ですが、オフェンスでも活かしていきたいと思っています。コーチからは(攻撃時に)少し早く出過ぎてしまって、そこでスピードがなくなっていると言われています。そこは我慢していけるようにしたいです。

質問者:サンバチームの高井選手が、今回試合に出られたことで、改めてチーム全体も活性化してくると思います。

髙井:サンバからでもこうやって頑張れば出られるというところを、見せられたのではないかと思います。(メンバーに)入った時は(サンバチームの選手も)頑張れよと声もかけてくれましたが、サンバだけじゃなくて、みんな声をかけてくれるんですよね。練習中も結構クーニー(バンワイク)やリマ(ソポアンガ)とかが、小さなこととかでも言ってくれるので。

質問者:チームの雰囲気は本当によさそうですよね。

髙井:そうですね。みんなが分け隔てなく話す空気感ができているので、チームの雰囲気はめちゃくちゃいいと思います。

質問者:最後に次の試合に向けて、個人の抱負をお願いします。

髙井:アタックのところはしっかりボールキャリーとして責任を持ってチームに勢いを与えられるようにしたい。ディフェンスはタックルのところを、まだまだ磨きをかけられると思っているので、タックルの精度をもっと上げていきたいなと思います。